報告メールとは?
 旅先にいるとなかなかパソコンが使える環境が少なく、ましてや日本語対応パソコンとなるとなおさらです。
 たまにメールを開くと、そこにはズラリ受信メールが溜まっていて読むだけでも精一杯。返信する時間もお金にも余裕がありませんでした。
 そこで、あらかじめ送信先の友人達には了承を得た上で、自分の状況を説明した文章を一斉送信することになったのです。

 僕に送られてくるメールの内容はみんな似たようなものが多く、「今どこにいる?」、「生きてるのか?」という内容がほとんどでした。
 だからこそ僕から返信する内容は、自分が今どこにいて、これまでどんなことをしていたのか? その感想とこれからの予定を中心に書いていたのです。

 自分のことを一方的に書いて報告するメール、これを「報告メール」と呼ぶことにしました。

 普通ならこれは失礼なことだと思います。自分との関係も、その人の状況もそれぞれ違うのに、同じ文章を複数の人に送信するだなんて。
 しかし、そんな抵抗を感じていた僕に対し、友人たちは僕の環境を理解し受け入れてくれたのでした。

 旅を続けるにつれて旅の内容は濃度を増し、メールを打てる頻度も減っていきました。それに比例するように報告メールの内容は長く濃いものへと変わっていったのです。

 書き始めのころは「長すぎる」、「携帯電話に入れてくるな」という声も多々ありましたが、連載するにしたがって楽しみにしてくれる人が増えていったのです。いまではプリントアウトして読んでくれたり、会社の同僚に配ってくてているといううれしい声も耳にしました。

 報告メールは既にメールの域を越えていると思います。だから送信されたメールを読むというよりは、短編小説を読むような感じで時間のあるときに読んでくれたらいいし、仮に読めなくても、僕から送信があったということは「無事で生きてますよー」という証だたのです。
 こんな報告メールをホームページという形で今までのもを公開し、さらにこれからのものも更新していくことになりました。
 今はまだ、文章力の乏しさ、誤字脱字は見逃してください。日本人ならなんとなくでもわかるはずです。

 友人たちとゆっくり話しができる時間が少ない僕ですが、こういった文章を通じて僕を感じてもらったり、次に再開したときに一から全てを要約して話すよりも、ほんの少しでも予備知識があることにより、要点を絞って濃い話ができればお互いにとっていいことのような気がします。

 自分のことを書くことは照れくさい気もしますが、恥ずかしくはありません。これは誇りを持って旅をした結果のノンフィクションなのですから。
 過激な表現や差別的・否定的な表現があったらごめんなさい。そんなに悪気はありませんし、その国の人が嫌いなわけではありません。ひっかかることがあったら、こっそり教えてくださいね。
 「友人宛て」に書いたものなので、僕個人の情報に関して説明不十分のところがあったら、プロフィールでも読んでつじつまを合わせてください。

 それでは、肩ひじ張らずにお楽しみください。

P.S. この報告メールは続き物のため、できるだけ前の方から読むことをお勧めします。とばして読むと、途中、理解しにくい内容が所々出てきたり、面白みも激減する可能性もあります。