2003年4月 韓国の青い鳥 ■韓国編
 アニョハセヨー
 第3回目の旅立ちをしたマサシです。3回目と言っても今回はたったの2ヶ月のプチジャーニー。
 6月30日に出発する本格的な次の旅立ちまでのこの期間に、済ませておきたい事が幾つかあったことと、従兄弟が5月にタイで結婚式をあげるので、その式の出席するという目的ができたため旅立ちました。

 最初の地は韓国。船で行く予定だったのですがソウル・ストップオーバーのタイ行きにすると早く、且つ値段がかなり下がるということで、急きょ変更して珍しく飛行機を利用してしまいました。

 そんなこんなで韓国の首都ソウルに降り立ちました。
 何だか今更韓国といってもイマイチ異国というイメージが持てなかったのですが、なんとか視点をずらし、且つ絞りながら回ることを意識していました。取りたてて上げる大きなテーマも無いためサクサク話を進めます。

 まず最初に僕を出迎えたのは、サッカー旋風でした。到着した翌日がサッカーの日韓戦だったのです。宿にはこの試合のためにわざわざ日本から来た日本人達が、早くも体を温めていました。
 日本からは、5万〜10万円もする‘ぼったくりツアー’がバンバン出ているらしいのですが、現地ではダフ屋から当日5千円ぐらいで手に入るのです。
 誘われましたが、断りました。サッカーの試合があることすら知らなかった僕に、サッカー応援団達は言います。
「今日到着した日本人で、この値段とこのチャンスの中、この日韓戦に行かない日本人はおそらくキミだけだよ」と。

 試合の当日の夕方、街の雰囲気は変わりました。街中に歩いていた韓国人達は、次々と路上に座り込み、屋台で食事を済ませ、ビルの壁にある巨大テレビに釘付けになりました。
 こりゃー屋台のおっちゃん、大忙しさ。焼きながらチラリチラリ。そんな中僕がヘタクソな韓国語で話しかけると「あーん!?」ってな目で睨まれました。
 そうだ! これは日韓戦なのです。日本人ピーンチ! しかし、日本人は街にも宿にもいません。
 だってみんな青い服着て、テレビの中にいるのですから。
 僕はこの日、生まれて初めて、
「私は、中国人でーす」、
と名のりました。アチョーッ!

 試合はずっと0対0で進み、ゴール前にボールが行く度に、韓国人達は上を見上げたまま伸び上がりました。
 テレビに釘付けの韓国人に対し、僕はテレビに背を向けて座り込み、上を見あげる韓国人達に釘付けでした。そんな彼らを、カメラでパシャリッ! なんだかいい気分でした。
 やはり、この国でのサッカーが占めるポジションは日本とは違うのだなと、目の当たりにして感じました。
 それにしても、試合の最後が思いもよらないへっぽこシュートによって日本が勝ってしまったため、韓国人の熱は下がりません。
 あ、やばい! 逃げよう。 と思い、
「さぁー、中国人は太極拳のため、朝が早いから早く寝ぇーよせ」
とほざいて宿に逃げ戻りました。
 ど初っ端からおもろいものが見れました。その翌日から朝一番で、韓国一周の列車に駆け乗りました。

「韓国では何がお勧め?」
 こう聞くと8割方返ってくる答えが‘食べ物’でした。
 僕はオーストラリアで韓国人と3ヶ月一緒に暮らしていため、韓国料理は食べ慣れている方だろうと思うし、韓国料理店は何処にでもあったので何度も入る機会がありました。
 ‘本場’という面では多少関心があったものの、それほど興味はそそられませんでした。
 しかし! そう思ったのも束の間、面白いことに気がつきました。
 毎日韓国料理を食べてると、‘赤いうんこ’が出るのです。
 最初は血便かと思いました。が、違う! まじまじ顕微鏡的観測で見たところ、間違いなく唐辛子だったのです。和式便所での発見でした。僕はなぜか嬉しくて2cmほど飛び上がりました。

 そしてこれがきっかけで、あることが思い出されました。

 そう・・・あれはインド。僕は毎日カレーカレーの食生活を送っていました。
 もう御解りでしょう?
 そうです! インドにいた時、僕は尻からカレー・・・じゃなくって、‘黄色いうんこ’をしていたのです。
 僕はインド人を見て思いました。
「あんにゃーろーも黒い顔して、きっとうんこは黄色いんだ」
 そしてここでも、
「あの奇麗な韓国人のお姉さん、白いお肌なのにうんこは真っ赤っかー・・・」
 って嫌ぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!
 思わず頭を抱えてしまいました。

 僕の想像は連想へと変り続きます。
「ってことは・・・ なんとかしたら‘青いうんこ’出せないかな?」

 まぁーた、しょーもないこと考えてんじゃないよって、今思いましたか? お願いですからここでメールをサインアウトしないでくださいね。

「何を食べたら青いうんこが出せるのか?」
 真っ先に思い浮かんだのがシーフード。僕って意外と単純だったのね。
 べつに青に特別なこだわりはなかったのですが、やっぱり赤、黄と来たら青でしょ?
 日本のサッカーチームのユニフォームも青だしね。そう言えば、韓国チームのユニフォームは赤じゃないですか。やっぱり赤に愛着があるみたいね。それじゃーこっちも青で勝負しなくちゃねー。

 ブルーハワイ・・・いや、着色料では駄目だ。天然色のでなくちゃ。
 昔テレビで、青い薔薇を咲かせるために人生を研究に費やした人の話のドラマを見たような気がする。フィクションかどうかは知らないけど。その人はやがて年老いて目も見えなくなった頃、最後になるであろう研究結果を病院のベットの上で横たわりながら奥さんに尋ねるの。
「どうだった? 薔薇の色は何色だい?」
 奥さんは黄色い薔薇を見つめながら、涙をこぼしてこう言うの、
「青色よ」と。
「そうか・・・青いか・・・」カクッとそのまま他界した。

 あー、これのうんこヴァージョンはドラマ化できないよね、ってかしないって。
「うー、わしのうんこは何色だい?」って・・・早よ死ね!

 なにはともあれ、この難解な疑問は韓国出国まで頭にべったりこびリついていました。

 続いて街の様子。
 街中は屋台があることと、文字がハングルであることを除けばほとんど日本と同じ。
 ただ、人の歩行速度が日本より少し遅いのを感じました。もちろん大阪と神戸を比べても歩行速度は違うだろうけど、ここは普通に何処でも歩いてみた時に感じた目測での話です。 おそらく2.5〜3.0km/hといったところでしょうか? 日本人はたしか平均3.0〜4.0km/h弱だったと思います。
 ま、あくまでも目測なんですけどね。
 ちなみに僕は速い時には7km/hぐらいでかっ飛ばしています。
 遅い歩行速度と対称的なのは荒い車の運転です。みんな車間距離めちゃくちゃ狭いです。
 韓国人の友人が言ってました。
「韓国人は夜がふけるにつれてだんだん運転が荒くなるのさ」と。
 これはイマイチ信じがたい。

 はい次、誰もが持ってる携帯電話。これがまたやけに小さいのです。見せてもらったら、なるほどネットができないのと、余計な機能が省かれている分、小型化されているのでした。ネットが携帯でできるのは世界でも日本だけですからね。さすがハイテク大国。
 日本と韓国、携帯電話での大きな違いは本体の値段でした。韓国では安くても3万円以上。ちょっとしたやつだと5万円は軽く越えるとのこと。日本なら高くて3万円、無料で配ってるのもあるぐらいなのにね。
 そして電話の使い方。日本だと基本的には用事があるから電話するよね。でも韓国人は暇になったら用事が無くとも、とりあえず電話しちゃう。
「今何処にいる? 何してる?」てな感じで。恋人同士ならまだしも、友人でもその調子。まさに女子高生のワン切り状態。「ただ何となく・・・」ってね。
 だから毎日の電話代がみんなバカ高いの。軽く10万円いくらしい。たまったもんじゃないよね。
 みんなに「なんでそんなに電話するの?」と尋ねたら、
「韓国人の習性じゃないかなー」だってさ。よくわからんけど、でも何人もそう答えた。
 電車やバスの中でもおかまい無しに大声で電話をするあたりなんかは、まだマナーとしては確立されていないようです。

 はい、続いて‘整形手術’。
 韓国流行ってるよね。タイに匹敵するほどの整形大国。でもタイは事情が違うよね。
 タイは男が女になるためだったり、女の人が夜の商売で働くためってのが普通。
 でも韓国ではただ「奇麗になるため」。これが基本になって、その上に「いい会社に雇ってもらうため」ってのがあるらしい。会社の面接試験では、なんだかんだ言っての見た目の奇麗な人が合格していくらしいのです。悲しいことですが事実らしいのです。だから・・・っと。
 みんなそれは良くないことだと解っているらしいのですが、見た目で不合格にされてはたまらない! と、安く手軽にできるようになった整形で合格を狙う若者が整形人口を上げているそうです。
 この質問ははっきり言って「赤色のうんこ」同様に聞きにくい質問でした。聞いちゃったけどね。

 はい次、おなじみ‘儒教’。
 やっぱりこてこての儒教文化はすごいね。誰もが年齢を気にかけていて、態度や言葉づかいはもちろんのこと、お酒の酌の仕方まで変わってくる。
 専用の呼び方まである。男が年上男を呼ぶ時には、名前の後に「ヒョン」をつけて呼ぶ。
 男が年上女を呼ぶ時には「ヌナ」をつける。同様に女は年上男に「オパ」、女が年上女には「オンニー」ってね。
 女の子に「まさしオパー」って呼ばれると、ちょっと照れ臭かったな。
 最近やっと少し儒教の束縛が緩くなってきたみたいで、若い上司が年輩の新米を叱る時には、タメ口で叱るようになってきたらしいです。

 はい次、待ってました‘韓国人から見た最近の北朝鮮’。
 意外や意外。日本では拉致がらみで毎日報道されている北朝鮮情報。北朝鮮の拉致や核兵器に対して、韓国ではそんなに真剣に取り上げていませんでした。
 韓国人に北朝鮮のことを尋ねたら、
「北朝鮮はいつも脅しばかりでこの先もなんにもできないよ。今までずーっと脅され続けてきたけど、結局なにもできなかったんだ。もう、ヤツらの脅しにも慣れちゃったよ」と。
 ふーん、そんなものなのねーって感じ。もっとメラメラドロドロしてるかと思ったのに。
 北朝鮮の愚かさにやっと気づいて騒ぎ出した日本より、よっぽど落ち着いていますよね。

 はい次、‘食用犬’。
 韓国は犬食べる。「ポンシンタン」と呼ばれる犬肉スープ。
 食べたかないけど、食べなくちゃ!

 はい、食べました。
 まずは鉄板焼きでたっぷりと。その後、カルビクッパのようにスープ状態でも。
 感想は、脂っこい! 臭みはそれほどでもなく、カンガルーの方がよっぽど臭い。
 鳥っぽくもないし、豚っぽくもないし、ましてや牛っぽくもない。うん、犬!
 鳥と豚の中間の脂身って感じ。ん? やっぱり犬じゃねーか?
 鶏一羽に米詰め込んでそのまま煮込んだ韓国NO.1の人気メニューの‘サムゲタン’の方がよっぽど美味いです。

 っとザザァーっと並べてこんなとこです。

 実は韓国を4分の3ぐらい回った所で、なんと僕は風邪をひいてしまいました。
 そうです。この時期アジアで風邪と言えば‘SARS’。こいつを誰もがちらつかせるでしょう。
 もちろん僕はSARSではありません。最初はドキッとしたけどね。めんどくさいのは、周囲の人に対してです。病顔でゴホゴホ咳すればみんながジロジロ見てきます。
 外国人だしね。
 ってな訳で、早々とソウルに戻って最後の3日間ぐらいは、ほとんど1日中宿で寝てました。
 幸い熱も下がり喉と鼻だけがやられただけだったので、夜は毎晩、ソウル在住のかつてオーストラリアで一緒に暮らした親友カップル(今は夫婦)と食事しました。
 しかし、本当の問題はここからなのです。
 この次はタイのバンコクに飛びます。今はSARSじゃなくても体が弱っている時には感染しやすいのです。どうなるまさし! 次回の報告メールが無事届くことを願っていて下さい。

 今回の韓国一周の中、後半の風邪ひきのこともあって、銭湯(健康センターのようなサウナ付き風呂屋)に何度も足を運ぶ機会がありました。その中で気づいたしょーもないこと。
 まず一つ、韓国人は前を絶対に隠しません。日本だと腰にタオルを巻いたり、そこまでしなくとも申し訳ない程度にタオルをそっと添えるのが一般的です。よね?
 ですが、あらま韓国、開けっぴろげ! 韓国人の開けっぴろげ度は、それだけじゃないのです。
 その辺の床で素っ裸でゴロンゴロン。大の字も当たり前。裸のままで椅子で眠る人続出です。
 なんじゃ、この醜い光景は! といった感じです。
 せっかくなので恥を偲んで女の子にも女性風呂の様子を尋ねてみたところ、やっぱり女性も絶対タオルで体を隠すようなことはしないそうなのです。
 逆に「何で隠すの?」と聞き返されてしまいました。
 ねー、べつに恥ずかしい訳じゃないんだけどねー。なんとなく。
 せっかくなので僕も堂々とフリフリしていたら、もう一つ気になったことが。
 これはあくまでも僕の見解かもしれませんが、韓国人男って・・・ひっとして・・・ 小さい?
 いやいや、けっして僕はそんな人に自慢出来るほどのモノはないんですけどね。ただ・・・やっぱり・・・ねぇ。まぁ、このメール、日本語が解る韓国人の友人達も読んでくれているんで、あんまり、ねぇ、こうはっきりと「韓国人の‘ピー’は小さいでーす!」なんて爪がはがれても書けませんが、うーん、どーでしょう? 思わず長嶋監督になっちゃったよ。
 韓国人男生と経験のおありの女性の方、なにか思う所ありましたら返信して下さい。

 あと韓国はまだブリーフ人口が多いね。サイババアシュラム程ではなかったけど70%ぐらいはブリーフだったんじゃないかな? しかもピッチピチのヤツ。けっこういるんだこれが。んでもって色は黒。 はい、しょーもない話でした。

 韓国一周した後に、自分の韓国語の語学力がそんなに上がってないことに気が付きました。
 何だか韓国ではいきなり英語で話しかけるのは失礼な気がしたので、極力英語は使わないようにしていたのです。ですが、上手くなりませんでした。
 思い起こしてみると、道を聞いても名前とジェスチャーで解るし、数とかは相手の方から英語で答えてくれるのです。チケット売り場でも、こっちの言うことをちゃんと聞いてくれているので意図は伝わるのです。つまりはっきり言って、そんなに苦労はしなかったのです。
 やっぱり他のアジアとのI.Qの違いを感じました。
 僕の得意なマニアックな韓国語に付け加え、挨拶程度は知っていたので、結局身に着いたのは基本の要求表現くらいでした。あんまり使ってないので忘れるのも早そうです。

 今回韓国一周の旅は、見所らしい所はほとんど回らず、親友クラスの友人達を訪ね歩くものとなりました。韓国人は世界中何処にでもいます。異国ではやっぱり日本と韓国は近いものがあり、特別な関係が生まれやすいのです。
 韓国の田舎、各土地で計3軒の家庭にお邪魔して、家庭の様子と料理を楽しみました。大学を回ったり、学生のパーティーに参加したり、一緒に銭湯通ったりと本当に地味なコースでした。
 でも、「38度線をちらっと見に行こうツアー」のように、一見派手のようで上っ面だけの体験よりは、よっぽど得るものがあったと満足しています。

 なによりもよかったイベントは再会の数々でした。
 再会した時、「あぁ、夢が叶ったみたいです」そう言ってくれた昔一緒に暮らした友の言葉は、
「そう言ってくれるほどの真の友人を、一人でも多く作りたい」
 そう願っていた僕の夢を叶えてくれたような気がしました。

 出発のため空港に向う途中、青空に飛ぶ鳥を見上げてふっと思い出しました。
「青いうんこは、何を食べたらだせるんだろう?」
 その答えはさて置き、そんな些細な事にも探求心を燃やすことはいい事だと思ったし、おもろいので、この先も場所に関わらず保ち続けていこうと思いました。
 探求心・・・青いうんこについて考えていたことは、まるで‘青い鳥’を探すことと同じ事のように思えてきちゃいました。

 そうだ、青い鳥で作ったサムゲタンを食べれば・・・もしや・・・。
 あぁー、また始まっちゃったー。
 もし「何で旅をしてるの?」って聞かれた時に、
「それは、青い鳥を探すためです」って答える奴がいたら、俺は殴るね。
 なにはともあれ、先は長そうです。
 とりあえず、初回はこの辺で。

 さて、この次は?
 タイのバンコクに向います。従兄弟の結婚式に出席するだけでなく、親戚一同と今までやらなかったような‘こてこて観光ツアー’にもしばらくの間、同行します。
 スーツ着込んでタイか・・・、僕には似合いませんよね。
 SARSの現状をこの目で確認してきます。
 それでは。
 SEE−−−YAA−−−−−−−−−
                        FROM まさし